親なるもの断崖 「曽根富美子:著」を読んでみた

今回は漢方とは関係ない記事なのですが、久々に面白いと思った漫画があるので紹介したいと思います。

昭和2年、北海道室蘭市の幕西遊郭に売られてきた少女4人の物語です。この作品は、1992年に日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した傑作です。

内容は、貧しい家庭の少女4人が遊郭に売られてくるんですが、その生活がとんでもなくキツイ。

松恵という女の子は、男性経験が無い(つまり処女)にもかかわらず、遊郭についた初日に客を取らされ、その夜に首をつって死んでしまいます。

松恵の妹・梅は、姉が死んだことにより、自分で女郎になると決意して、生理も来ていない11歳で処女を失い、女郎の人生を歩むんですが、これがまた凄惨極まりない人生となります。

武子という子は、器量も良かったため女将さんから芸妓になれよう訓練を受けて、幕西遊郭一の芸妓になっていくのですが、復讐にかられて常軌を逸した行動に出ます。

道子は顔も悪く、体もずんぐりしていたため遊郭の下働きを命ぜられて数年働きますが、安いお金で転売されて、幕西遊郭でも一番劣悪な環境の女郎屋へ行くことになります。

当時は公娼制度というものがあったので、年端もいかない少女の身売りが当たり前のように行われていたんですね。しかも、自分が豊かになる事などは決してなく、毎日毎日客を取り続けていくだけの奴隷的な扱い。まともな精神状態では入れないでしょうし、実際に自殺する人も多かったようですし、性病や堕胎失敗で使い物にならなくなり、治療も受けさせずに田舎に送り返されることもあったそうです。

この親なるもの 断崖という物語は、そうした時代を懸命に生きていった4人の少女の物語です。決して軽い内容ではありませんが、読む価値は十分にあると思いました。